オムニチャネルの時代⑨ 事業は経営者の価値観の結晶

お客様の声を聴く

通信環境やデバイスの進化によって、オムニチャネルの時代が到来します。
かつてインターネットの普及により消費者の行動が変化し、社会が大きく変化しました。
いまの社会は20年前には誰も想像しえなかったものでしょう。

同じように、24時間365日のネット化がさらなる社会の変化をもたらします。
全ての業界で競争のルールが変わり、従来の強みは価値を失い、新しい価値が求められます。

そのタイミングはもうすぐそこまで来ています。
新しい価値を生み出すには時間がかかります。
だからこそ、今すぐに動き出さなければなりません。


それでも、なかなかチャレンジ出来ない方が多いでしょう。
チャレンジするにはどうすればよいでしょうか。
まずは自社のお客様に会うことです。

自らの事業がだれのどのような課題を解決しているのか。
どんな風に喜ばれているのか。
それを感じることです。
たくさんのお客様に会えば、それぞれ異なる点で価値を感じ、評価をしてくれているかもしれません。
たくさんの声を聴く中で、あなたにとって特に嬉しい声、反応を見つけてください。
おそらく、あなたが嬉しい、と思う声は、あなたがなりたい自分を表現してくれているのだと思います。
それがあなたのビジョンであり、価値観なのです。


事業は経営者の価値観の結晶

人間はそれぞれの生育環境や経験によって、必ず異なる価値観を持っています。
育った地域や家族構成、学生時代の過ごし方や、部活動、アルバイト、就職した業界、職種など、外部環境が様々な経験を生み出しています。
だからこそ、やりたいことが異なり、行動が異なり、習慣が異なり、異なる強みがを持つのです。
その強みを持って、もっと社会に貢献できることがあるのではないでしょうか。

私は在日韓国人として日本に生まれ育ち、おもに神奈川県の横浜市で過ごしました。
日本という国で、マイノリティーとして育ったことで、客観的な視点が身につきました。

中学、高校では柔道を頑張りました。
大学は理系で、大学院にまで進みました。
コツコツ努力することを学びました。
また、大学の研究室では、国際的な競争という感覚を身に着けました。

アルバイトとして、学習塾の経営の機会を得ました。
0を1にする大変な苦労をし、その中でお客様に信頼されることの大切さ、お客様が求めていることを理解することの大切さを学びました。

就職では、ソフトバンクに就職し、最初は法人営業を担当しました。
理系出身でありながら営業を経験する機会を得て、お客様とのコミュニケーション、そして売り上げを維持していくことのむずかしさ、数字にこだわることの重要性を知りました。

途中からECサイトの支援を担当し、世界のECサイトのマーケティングについて、世界標準を学び、またお客様とともに研鑽しました。
そこで得た経験をもとに独立し、自分の特性が生かせるスタイルとして、12年間ウェブコンサルタントを続けています。

もともとウェブコンサルタントになることを目指して経験を積んできたわけではありません。
しかし、なにかを経験するたびに、新しい価値観を身に着け、自分がなりたい自分をイメージし、それを追いかけているうちに今の自分が出来ました。
結果として、自分の強みが生きる仕事をしています。


あなたも自分の人生を振り返ってみてください。
これまでに頑張ってきたことは何でしょうか。
一番楽しかったことは。
一番つらかったことは。
人生で最大のチャレンジは何だったか。
出来れば、少人数でお互いの人生について語り合って、客観的な意見をもらうのが良いと思います。
数時間では足りないでしょう。
何時間もの話を何度も繰り返しながら、またそれを思い返しながら新しい事業を思い描いてみてください。
おぼろげにでも、自分自身の次のビジョンが見えてくるはずです。

自分自身の価値観が腹に落ちると、決断が早くなります。
自分にとって楽しいことが明確になるのと同時に、自分の強みが生かせることも分かりますから、2重に決断がしやすくなります。
そうなってみると、今までは難しいと思っていたことでも、チャレンジできるのでは?と思えてくるものです。
もしかしたら、以前からやりたかったけど、今までは出来ない、と思っていたことがあったかもしれません。
たしかに、今までは出来なかったことかもしれません。
それでも、ネットショップという事業を経験し、またオムニチャネルの時代という新しい大きな波を前にしたら、チャレンジしたくなりませんか?
少なくとも、これからの大きな環境変化は、ネット環境の変化に起因するものですから、ネットに強い方にとっては大きなビジネスチャンスです。
ネットという武器を手に入れた今だからこそ、チャレンジする良い機会なのです。


ブランド

新しいチャレンジは自分一人ではなかなか難しいものです。
すでに事業をお持ちの方なら、従業員の皆さんにも価値観を伝えてください。
理念とか、ミッション、ビジョン、バリューとか、いろいろな表現方法がありますが、形にこだわる必要はありません。
むしろ、言葉や形式にとらわれるよりも、素直な言葉で表現する方が伝わると思います。

しかし、一度話したくらいでは足りません。
何度も話す必要がありますし、重要な決断を迫られたときには、その決断の理由と価値観の関係を説明する必要があります。

また、それが本気であることを示すのは行動です。
チャレンジするなら、何かを大きく捨てて、チャレンジする余力を持たなくてはなりません。
行動に優先順位をつけることで、あなたの価値観の優先順位が伝わります。


同じように、社外に対しても自身の価値観を発信しましょう。
自身が何によって社会に貢献しようとしているのかを伝えるのです。
ウェブサイトに掲載したり、ソーシャルメディアで発信したり、近い価値観を持つ方たちと交流したり。
顧客や取引先に対して、自分が何をしようとしているのかを発信し、協力をお願いしましょう。
そのかわりに、周囲の人々の協力、応援が無駄にならないように、やり続け無ければなりません。
人の助けを借りながら、やり遂げなかったり、利己的なことをしていると、応援してもらえなくなるでしょう。
あなたが自らの貢献の形を宣言し、周囲がそれを応援し、その関係が長く継続されたとき、それはブランドと呼ばれるようになります。
自分の強みが生かされ、社会に貢献できる。
毎日そんな仕事が出来たら、すばらしいと思いませんか?

そう思えるあなたにとって、オムニチャネルの時代は大きなチャンスなのです。