コンサルティング会社のリスティング広告運用

最近周囲でリスティング広告の話題が続きました。
私自身も久々にリスティングの分析の手伝いをしましたが、もっとリスティング広告のノウハウを発信しなければならないと思いなおしています。

■一般的なリスティング広告運用の課題

一般的にリスティング運用では、最初にビッグキーワードを中心に出稿して、クエリを分析します。
成績の良いキーワードは出稿を増やし、成績の悪いキーワードは入札順位や広告文、LPでCVRの向上を試してみて、改善されないなら停止する、という流れです。
しかし、この運用だと、最終的にはキーワードを停止しなければならず、縮小均衡に陥っていきます。
出稿金額が高騰していく中で、時間がたつほどリスティング広告で獲得できるトラフィックは減少してゆきます。

また、運用の手間を考えても、キーワードを増やしてグループやキーワードを細分化していく手法では、
やればやるほど細かい調整が増え、自ら細かい成果のために手間をかけるという費用対効果を悪化させるジレンマに陥ります。

実は、私自身も2003年からリスティング広告を始めて、2006年くらいまではこのフレームワークで改善を行っていました。
しかし、このままでは手間がかかりすぎる割に、成果の天井が低いということが分かり、運用方法を抜本的に変更しました。


■当社のリスティング広告運用のフレームワーク

何年も前からセミナーやネット上では発表していますが、
当社ではリスティング広告運用の7段階フレームワークという考え方を持っています。

listing7.jpg

http://www.webconsultant.jp/listing/7.html

従来の運用方法の最大の問題は、管理画面だけを見て運用をする、ということにありました。
管理画面で確認、管理できるのはSERPs周辺の成績だけです。
しかし、実際に改善効果が高いのは、サイトに来てからのシナリオです。

サイトの構造設計、コンテンツの企画、改善の方が効果的なのです。

これを精度高く行うために、google analyticsによる分析力が必要です。
リスティンググループごとに、どんなコンテンツを見せるか、見せたいコンテンツを回遊してもらうためにナビゲーションをどうすべきか、考えます。
競合他社の多くが管理画面だけを見ているからこそ、google analyticsを見て他社が手を入れていない部分で改善すると効果が高いのです。

だからこそ、私たちは4モデル式という本を書きました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4048673661

http://www.amazon.co.jp/dp/4048869515 (改訂版)
多くのカート会社さんにeコマース機能の導入をお願いして回り、ネットショップのウェブ解析の環境整備を支援してきたのです。

もっというと、リスティング広告の管理画面は"罠"ですので、その成績を根拠に改善を行うのはほどほどにしましょう。


■リスティング力だけではだめ

もう口を酸っぱくして言い過ぎて、親父の小言くらい聞き飽きていると思いますが、リスティング広告だけ運用していても限界があります。

必要なのは全体を見る力、リスティング広告運用で言うなら、サイト制作力、そして最近はコンテンツ制作力が必要です。
当社はさらに商品、サービス開発までやりますが、これはコンサルティング会社に任せて良いと思います。

コンサルタント向けにさらに言うなら、リスティング広告と競合サイト、商品を分析することで、市場の近未来を予想することです。
どの企業がどんな方向で差別化を狙っているのか、もしくは撤退する可能性があるのか、新規参入の可能性があるのか。
そのあたりを見通して、数年計画で商品、サービスの開発、それを表現するウェブサイトを実現し、出来上がったらリスティング広告で成果につなげるのです。
リスティング広告運用も事業の表層にすぎません。
他のプロセスで選ばれる理由を明確にし、リスティング広告は刈取りだけです。

そう考えると、キーワードの細分化をしている暇はないのです。

効果的な運用は、骨太な広告ポートフォリオ×コンテンツ改善×ウェブサイトの改善なのです。

現状リスティング広告代理店がリスティング広告の画面管理屋になってしまっているのは、業界的な問題もあると思います。
多くの代理店がマージン型の収益構造で、運用している広告費の20%程度を手数料としてもらう契約になっています。
そのため、広告代理店は運用する広告費を増やしたほうが収入が増えるのです。
広告運用手数料を減らしたくないので、CPA削減に本気になれないのです。

それに対して、当社のようなフィー型で収益を得ている立場では、運用広告費に関わらず、かけた手間に対して費用をいただきます。
そのため、改善作業をたくさんやれば、費用もたくさんいただけます。
そのかわり、費用に応じた成果が出ないと解約になります。
信頼関係をベースとした契約ではありますが、その分お互いの利害が一致し、前向きに成果を目指せます。
デメリットとしては、広告予算が少ない場合は相対的に手数料が高くなります。
逆に、出稿金額が多い場合、当社のようなフィー型の方が安くなります。

Yahoo!やGoogleのリスティング広告代理店の運用スキームが基本マージン型なので、フィー型が育ちにくいのは無理もないことですが、
業界全体の健全性を考えると、お客様と信頼関係を構築し、マージン型で運用できる代理店が増えて欲しいと思います。

*当社のリスティングフレームワークに興味のある志ある方はismへ
http://www.internet-strategy-marketing.org/